にゃんことワンコ

幼馴染みな現パロ煉義。生年が一年違いの二学年差な二人です。煉獄さん視点と義勇さん視点のほか、宇髄さん視点や伊黒さん視点のパートもあります。おばみつ、さびまこ、宇嫁ズ(うっすらと実ナエも)を含みます。モブ→義表現もありますので、苦手な方はご注意ください。

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にゃんこなキミとワンコなおまえ 没ネタ

※本編で猫耳付き着る毛布を着た義勇さんの撮影会シーンで没にしたネタです。煉獄さんがポンコツまっしぐら。短いです。 「義勇、録画するからもう一回!」 猫足の形をした電気カイロを手に、腹減ったにゃーなんて言ってみせた義勇へと、スマホをかまえて杏...
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にゃんこなキミと、ワンコなおまえ 1

煉獄杏寿郎、当年とって十八歳は、猫と暮らしたいと常々願っている。 級友などに口を滑らせるたび、おまえは犬派かと思ってたと意外そうな顔をされるが、とくに反論する気はない。犬もいい。忠実で健気だ。元気な犬と公園や河原で遊ぶのはきっと楽しいだろう...
にゃんことワンコ

にゃんこなキミと、ワンコなおまえ 2

突然だが、冨岡義勇、ギリギリ未成年な十九歳は、犬と暮らせたらいいのにと昔から思っている。ここ数ヶ月はなおいっそう、キラキラとした毛並みの大きな犬がいてくれたらと、願うことが増えた。不甲斐ないことだけれども。 「小さい犬さえ怖がるくせに、意外...
にゃんことワンコ

にゃんこなキミと、ワンコなおまえ 3

「美術館というのは、なかなかおもしろいものだな」「そうだな」 レストランの予約は十八時半だ。現在の時刻は二時半を過ぎたばかり。まだまだ時間には余裕がある。 杏寿郎は傍らに立つ義勇を、視線だけで窺い見た。 義勇の眼差しはまっすぐに展示物に注が...
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にゃんこなキミと、ワンコなおまえ 4の1

ホテルのロビーは広くて、天井が高いからか開放的だった。 走ったせいで少々乱れた息を、義勇は深く深呼吸して整える。ハァッと大きく息をついたのは杏寿郎も同様だけれど、息が整うのは義勇より早かった。引退したとはいえ、剣道部主将は伊達じゃない。 部...
にゃんことワンコ

にゃんこなキミと、ワンコなおまえ 4の2

一分とかからずたどり着いた部屋に車を止めた。少し上っ調子な会話は、荷物どうするとかチェックアウト何時? だとか、甘さなどないものばかり。ちょっとでも睦言めいたが最後、部屋に入るのさえ待ちきれずに、借り物の車のなかで貪りあってしまいそうで。 ...
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にゃんこなキミと、ワンコなおまえ 5の1

「つきあわせちまって悪かったなァ」「気にすんな。あいつらには、パーティーの準備が済むまで帰らねぇでくれって、言われてるからな。サプライズだから家にいられっと困んだとよ」 どこか浮足立った人波の流れに乗って、宇髄は傍らを歩く不死川に、ニッと笑...
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にゃんこなキミと、ワンコなおまえ 5の2

◇ ◇ ◇ ◇ ◇  なんだか眩しい。 ふと浮き上がった意識が訴えるのに従い、杏寿郎は一度、ギュッと眉をしかめた。カーテンの隙間から差し込む朝日ほどには、眼球を刺激してこない光ではある。だが常の朝にはない眩しさは、閉じた瞼を透かして杏寿郎の...
にゃんことワンコ

にゃんこなキミと、ワンコなおまえ 5の3

昨夜、意識が途切れる前に義勇が見つめ返した杏寿郎の瞳は、恍惚に蕩けてしたたり落ちてきそうだった。はちみつとラズベリーの色をした杏寿郎の瞳が、とろりと潤む様はやけに甘そうで、舐めたいと思ったのを覚えてる。 姉さんが作るラズベリーのはちみつ漬け...
にゃんことワンコ

にゃんこなキミと、ワンコなおまえ 6の1

それは十二月に入ったばかりのとある朝のことだ。着信音とともにスマホに表示された名に、伊黒は思わずスマホを二度見し、ついで眉をひそめた。 画面に映っている名は『冨岡』という名字のみ。フルネームは冨岡義勇。下の名で呼んだことは一度もない。 即座...