真菰

手袋を買いに行ったら

手袋を買いに行ったら大好きな人ができました3

最終話。童話パロの筈なのにバトってます……。
にゃんことワンコ

にゃんこなキミと、ワンコなおまえ 2

突然だが、冨岡義勇ギリギリ未成年な十九歳は、『犬』と暮らせたらいいのにと昔から思っている。ここ数ヶ月はなおいっそう、キラキラとした毛並みの大きな犬がそばにいてくれたらと願うことが増えた。不甲斐ないことだけれども。 「チワワや豆柴でさえ怖がる...
水天の如し

水天の如し 五 ◇少年、宿縁の強きを願うの段◇

炭治郎が師事している鱗滝老師ラオシーの仙洞せんとうは、狭霧山の頂上付近にある。地上からはるかに遠い仙洞付近の空気は薄く、ときおり雲がかかり、伸ばした手の先が見えないほど白く霞みがかることもあるぐらいだ。 初めて来たときに、ひょうたんに入れら...
水天の如し

水天の如し 六 ◇少年、天秤秤に己が命を乗せる一歩を踏み出すの段◇

「とらえたっ!」 気合一閃、炭治郎が振りかぶった木剣は、だが、カァンと高い音を立ててあっけなく弾き飛ばされた。「甘い! 剣は決して手放すな! 呼吸が乱れているぞ!」 たちまち飛んでくる叱責は、腹への鋭い一撃とともにだった。避ける間などまるで...
水天の如し

水天の如し 八 ◇少年、大いに悩みほのかに恥じるの段◇

洞窟はふたたび闇が続いていた。とはいえ、先のような右も左もわからない真の闇ではない。 うっすら明るさをもたらしている光は、苔だろうか。金緑色のほのかな光は、いかにも淡く頼りない。だが、それでも視界を取り戻すには充分だ。 それでも暗いことに変...
水天の如し

水天の如し 九 ◇少年、大いなる決意と旅立ちの時の段◇

元宵節げんしょうせつまであと二日。明日にはさっそく出立するという晩だ。 炭治郎は、これでもかというほどの料理を卓に乗せるつもりだったが、残念ながら自力では果たせそうになかった。理由は至極単純である。料理をしている途中で、とうとう立っていられ...
シリーズ・連載もの

水天の如し 第一章

◇少年、運命と対峙すの段◇  忙しなく息を吐きながら、炭治郎は必死に走る。だが、積もった雪に足を取られ思ったようには走れず、速度は平地を歩むのと大差はない。 空を覆う雲は厚く、また雪が降ってきそうだ。ぐっしょりと濡れた衣服が、炭治郎の体温を...
年年歳歳

迷子のヒーロー

年年歳歳シリーズ第1話。8歳差な義炭(中二×小一)の出逢い編。
大好きの・・・

真白の雲と君との奇跡4

義勇がやって来た翌日、杏寿郎は初めて義勇に電話した。 とはいえ、中学生にはまだ早いとの煉獄家の教育方針で、杏寿郎はスマホを持っていない。義勇がスマホを持っているのかも知らなかった。保護者に渡された連絡網に書かれた義勇の連絡先は、鱗滝家のもの...
大好きの・・・

真白の雲と君との奇跡(加筆修正済みまとめ読みバージョン)

第1話  梅雨が明け、七月も半ば近くともなると、照りつける陽射しも強くなり暑さが増した。すっかり季節は夏だ。六月にはまだ出番が多かった長袖のシャツやベストも、七月に入ってからは目にするだけで暑さが増す感がある。 公私ともに服装はめっきり夏仕...