✗説明 ○描写

えー、やっと完全に新作って話を一本書き上げられたわけですけども、義炭の『年年歳歳』をさっさと全作転載もしちゃいたいってことで、ワクドキの二日目のブラッシュアップに入りました。

ほとんど新作書いてる気分なんですけどぉ!💦

いやぁ、ずいぶん前に書いた話とはいえ、これはひどい……。
このシリーズは炭治郎視点から始まって炭治郎視点で終わる構成にしてるんですが、1章目から頭抱えてます💦
1日目もそうなんだけど、とにかく説明ばかりで進めちゃってるんですよねぇ……。こりゃあかんってことで、ほとんど書き直してる最中です。

うちにいらっしゃる方は皆さんたぶん、日頃から文章を読み慣れてると思うんでわかるかもですが、説明で進む文章っておもしろくないんですよね💦取説読んでるのと変わらんってなっちゃう。

たとえば、ここ。義炭なんでほかのカプ好きさんには申し訳ないですが、カプ要素はない部分なので載せてみますね。

 稽古が終わって皆で鱗滝と神棚に礼をした後で、義勇は見取り稽古をしていたのだと教えてくれたのは煉獄だ。師範の間合いの取り方や足捌き、剣先の動きなどを見て、瞬時に相手がどう動くのかを予測するための洞察力を磨くらしい。
 観見の目付とも言うと教えてくれた煉獄に、冨岡は観の目が優れているのだろうなと笑いかけられて、義勇は無表情のまま少し居心地悪げにしていた。
 だからこそ炭治郎が煉獄たちと知り合った日の一幕でも、すぐに炭治郎の思惑に気づけたのだろうと、煉獄は笑う。炭治郎のほんの少しの身体の傾きや足の運びから、炭治郎が方向転換することを察したのだろうと尋ねられ、戸惑うように小さく義勇が頷いたのに、とても満足そうに笑っていた。
 炭治郎は、そんなほんのちょっとのことで分かるんですかと、ビックリしたのだけれど、鱗滝ぐらいになると相手の目や息遣いだけで次の動作を読むと聞いて、ぽかんと口を開いて茫然としてしまった。
 剣道って凄い!!
 大興奮で錆兎や真菰も出来るのかと訊いたら、二人はまだそこまでは無理とちょっと悔しそうに言った後、でも絶対に鱗滝のようになってみせると宣言していた。
 そして言ったのだ。
 炭治郎と禰豆子も剣道をやらないか、と。

空行は削除してますが、コレ書いてる現時点でサイトに載ってるワクドキ二日目の文章です。

全部説明じゃん! オーマイガー……

誰がどうしたこう言ったと地の文で説明をしちゃってる💦
とにかくさっさと話を進めなきゃってのばかり頭にあって、1章目とラストはこんな感じになりがち。すまん、炭治郎……_| ̄|○

これは書き直さなきゃ話にならんってことで、描写やセリフに置き換えてますが、どんどん文字数がかさんじゃって目眩しそうです。
ちなみにこのシーンはこんな感じになりました。

「義勇さんもみんなと一緒に稽古できたらいいですね」
 炭治郎たちと違って、義勇は体力さえ戻れば煉獄と同じくらい、鱗滝と稽古できたはずだ。いつも竹刀を持ち歩いているぐらいなんだし、剣道がとても好きなんだろう。本当は一緒に稽古したいんだろうなと思って、稽古終わりに鱗滝と神棚に礼をした後で言ったら、答えてくれたのは義勇じゃなくて煉獄だった。
「竈門少年、冨岡はずっと稽古していたぞ!」
「え? えっと、でも」
 禰豆子と二人してどういうこと? と義勇と煉獄の顔をキョトンと見比べれば、煉獄は明るく笑って教えてくれた。
「冨岡がしていたのは見取り稽古だ。師範の間合いの取り方や足捌き、剣先の動きなどを見て、瞬時に相手がどう動くのかを予測するための洞察力を磨く。観見の目付というやつだな。これも大事な稽古だ! 稽古をつけていただいて感じたが、冨岡の剣さばきは鱗滝殿によく似ている。もちろん鍛錬の成果でもあるだろうが、冨岡は観の目に優れているんだな!」
「あー、それ、合気道でもやらされたわ。地味だが、達人の技を見て盗むってのも武芸の上達にはかかせねぇからよ。素人目でも鱗滝さんの凄さはわかるぐらいだったからな。あれを毎日見てんだ、そりゃ冨岡の腕前も上がるってもんだ」
 稽古の光景を撮っていたカメラをしまいながら、宇髄もそんなことを言ってくれたものだから、炭治郎の興奮はうなぎのぼりだ。炭治郎は剣道を見るのは初めてだったけれど、きっと煉獄はすごく強いのだろう。鱗滝だって感心しているふうだった。そんな煉獄が褒めるのだ。義勇だって負けていないに違いない。
「へぇ! やっぱり義勇さんはすごいんですね!」
 煉獄や宇髄に褒められて、炭治郎はとてもうれしくなったのだけれども、とうの義勇本人は無表情のまま少し居心地悪げだった。
「うむ! 先日の一件でも、冨岡は即座に竈門少年の思惑に気づいただろう? 冨岡、竈門少年の体の傾きや足の運びから、竈門少年が方向転換すると察したんじゃないか?」
 くりっと義勇を振り返り見てたずねる煉獄につられ、炭治郎が義勇に視線を向けると、義勇は、少し戸惑った様子ながら小さくうなずいた。
 煉獄たちと出逢ったときの一幕は、記憶に新しい。繋がれて逃げられない犬を逃してくるなんて誰にも言わずに走り出したのに、なんで義勇には考えてることがわかっちゃったんだろうと不思議だったけれど、答えは剣道のおかげということか。
「そんなほんのちょっとのことでわかるんですか!?」
「煉獄さんもわかる?」
「わかるとも! 鱗滝殿やうちの父上ほどともなれば、相手の目や息遣いだけで次の動作を読むぞ! 残念ながら俺はまだその域にはおよばんがな!」
 禰豆子と一緒になって聞けば、煉獄は言葉ほどには悔しげでもなく言って笑う。
「へぇーっ! 錆兎や真菰もできるのか?」
「真菰ちゃんすごいね!」
 大興奮で聞いた炭治郎と禰豆子に、二人はそろって肩をすくめた。
「まだ無理だな。でも絶対に爺ちゃんと同じくらい強くなってみせる」
「そのために稽古してるんだもんね。もっと大きくなったら煉獄さんにだって勝つよ」
「煉獄さんにも? うわぁ、すごい! 真菰ちゃんがんばって!」
「うん。ありがと、禰豆子ちゃん。がんばるねっ」
「ふむ、煉獄道場を継ぐ身としては負けられん! 俺も今まで以上に鍛錬に励むとしよう!」
「チビっ子相手に派手に大人げねぇ……と、言いたいところだが、こいつら歳のわりにはかなりできるのが素人の俺でもわかるからなぁ。うかうかしてらんねぇぞ、煉獄」
 キャッキャと楽しげに笑いあう禰豆子と真菰は楽しそうだ。打ち負かすと宣言された煉獄もニコニコしているし、宇髄もどこか愉快げだった。
 みんなが笑っているなか、義勇だけはいつもの無表情だけれど、それでも錆兎たちを見る目はとてもやさしくて、少し楽しそうな匂いがしている。
 よかった、義勇さんも楽しそうだ。うれしくなりながら炭治郎が、義勇さんもがんばってくださいと応援しようとしたとき。
「あ、そうだ。炭治郎と禰豆子も剣道やってみるか?」
「それ、いいアイディア! ね、禰豆子ちゃん、炭治郎も。剣道やらない?」

はい、こんなんなりました。Oh……。

とりあえず、地の文で説明せず会話で読者に伝える。セリフばかりになるとト書きと変わらなくなっちゃうから、バランス考えて表情や仕草の描写、心情なんかをちょこちょこ合間に挟む。
最初のはようはあらすじというか、プロットめいてましたからね。描写やセリフで小説としての肉付けをしていってます。
宇髄さんと禰豆子が空気になっちゃってるのが気になったので、そっちもどうにかせねばってことで会話に加わってもらいました。
んー、煉獄さんと宇髄さんにも「あ、宇髄! 稽古のビデオを俺にもダビングしてくれ! 家でも鱗滝殿の見取り稽古をしたい!」「へぇへぇ、そう言うと思ってたよ」みたいな会話をさせようかと思ったんですが、冗長になりすぎるんで割愛しました。
この章のメインはこれより後の部分なので、そこに至る前に飽きられても困るのだ。……って、わかってるなら説明ばかりすんなよって話ですが💦

あとになって読み返してるとわかることでも、書いてる最中は「あーもーこれでいい! とにかく書き上げなきゃ💦」って小説未満な文章を書き連ねちゃったりするんです。よくない癖ですね💦
ぶっちゃけ速筆量産ぐらいしか売りがなかったから、とにかく早く書かなきゃって焦りもあったんですが、ここまでスランプが続くとね……。もう、唯一の長所である速筆も露と消えたので、じっくり練り上げるスタイルに変えてくしかないしね。もっと考えながら書くことにしますです。

短編ぐらいまでだと、描写がくどかったりセリフばかりもよくないから、地の文でさらっと説明して「ここだ!」ってメインになるセリフや文章を際立たせるのが大事になってきますけども、中編から長編になると肉付けが重要になりますもんね。このバランス感覚が私は駄目なんだよなぁ💦
年年歳歳シリーズは章ごとに視点を変えて進めていく構成なので、一つの章に字数を使いすぎるのもよくないし、視点替えの利点である「傍目にはわからない心情」を先に説明しちゃうのもよくない。適度な肉付けが重要になるんですが、そこらへんの塩梅が本当に苦手💦冗漫な文章っていう悪癖はなかなか直りそうにないです。

でも諦めたらそこで試合終了ですよ。読みやすく、読み飽きない小説を書けるようになるべく、精進努力!
もっと描写の精度あげてきたいな~。がんばります。