原作軸

SS~短編

恋文

夜明け前になって帰ってきた義勇は、げっそりとした顔で文机に向かうなり、一度も立ちあがることなく筆を走らせている。 ときどき筆を止め、考え込むようにわずかに上向いたり、思わずといった具合に髪を掻きむしったりするが、それでも文机の前からまるで動...
CHALLENGE

つま先に媚薬(お題:23つま先)

炭治郎が、義勇に稽古をつけてもらえるようになってから、三日が経った。 稽古内容は一言で言えば鬼ごっこだ。ただし、迫ってくるのはつかまえようとする手ではなく、鋭い木刀の一撃である。広大な竹林のなかで目まぐるしく攻守が変わる鬼ごっこは、息つく暇...
SS~短編

幸食健美

「それじゃ、明日からよろしくお願いします!」 ぴょこんと頭を下げる炭治郎に、義勇は小さくうなずいた。えへへとはにかみ笑う炭治郎は、いかにもうれしげだ。その笑みを見ていると、義勇の胸の奥にもほわりとした温かさが宿る。 付きまとわれるのには閉口...
恋味献立の拵へ方

甘く煌めく

大正時代の一般家庭で作られていた料理を、義炭の二人に作ってもらうシリーズの第一弾です。 今回は苺のゼリーとエード。本文の表記は大正時代に倣っています。
SS~短編

恋は緩やかに

お題:いってきますのチューをしている義炭 ※無自覚両片想いからの自覚。義勇さんのご両親を捏造しています。800字2/24分。  出がけに義勇が炭治郎の顔に唇を寄せたのに、特別な意味はなかった。 炭治郎が水屋敷で起居するようになってから、そろ...
SS~短編

尽きることなく満ちて、増えて、繋がってゆけ

お題:なし ※ファンブックネタ。書いてる本人が義炭と思って書いたので義炭。でもカプなしに近いです。あえて言うなら宇嫁w 800字2/6分  義勇は一度だけ、聖母像を見たことがある。隊士になっていくらも経たないころのことだ。 その日、義勇は心...
SS~短編

おいしさの秘訣は恋心でした

お題:義勇さんが浮気するフリをして炭治郎の反応を試している義炭。800字2/3分 「で、どういうことだったんです?」 責めるつもりなんて炭治郎には毛頭ない。でも不思議だったから聞いただけのこと。 事の起こりは他愛ない。大好物の鮭大根を、義勇...
煉義

落花流水

お題:私は今、幸せなんだよ(アンケートにお答えくださった方、ありがとうございました)※原作軸 ラストは転生後 800字2/7分。  煉獄にとって、初めて逢ったときの彼の印象は薄かった。 そもそも初対面時は、逢ったなどといえるようなものでもな...
義勇受

恋を知るということ

煉義の『竜胆』の世界線で、煉義からの義炭です。最終決戦後捏造。ラストは煉義風味。
SS~短編

朴念仁の恋の始まりは

なんでこうなった。呆然としつつ、義勇は、目の前で真っ赤な顔をうつむかせている弟弟子を見ていた。 とりあえず、起こってしまったことはもう取り返しがつかない。時を巻いて戻す術はないのだ。 さて、どうしようか。改めてつくづくと炭治郎をながめる。恥...