義炭

日々是善哉

愛し恋しや夜の唄(お題:45寄り道)

最終決戦後に長屋で同棲する義炭のお話。100のお題No.45「寄り道」 義勇さんは代書人をやってます。二人で買い物の帰り道にブラブラ歩きしてるだけの他愛ないお話です。
学び舎アルバム

学び舎アルバム 甘えん坊大王降臨の日

その朝、キメツ学園に激震が走った。 事の起こりは登校時の校門。仁王立ちした体育教師が、ひとつ咳をした。ただそれだけである。 冨岡先生だって人間だもの。しかも季節は二月初旬。春は名のみの真冬の寒さ。咳のひとつぐらいは出るだろう。なんて、思うよ...
SS~短編

内緒の大好き

くちゅんっ。 「ん?」 なんだか懐かしいような音が聞こえて、つい辺りを見まわした。六太のくしゃみみたいな音。小さい子が迷い込んだんだったら大変だ。 なにしろ今は柱稽古の真っ最中。竹林は立ち入り禁止にされてるけど、小さい子が知らずに入ってきち...
SS~短編

恋文

夜明け前になって帰ってきた義勇は、げっそりとした顔で文机に向かうなり、一度も立ちあがることなく筆を走らせている。 ときどき筆を止め、考え込むようにわずかに上向いたり、思わずといった具合に髪を掻きむしったりするが、それでも文机の前からまるで動...
SS~短編

過ぎる時、変わらぬ想い

近所に竈門ベーカリーというパン屋ができたのは、義勇が中学に入学した春だった。 初めての着慣れぬ学ランに、気恥ずかしさと誇らしさを持て余しながら、姉と一緒に入学式から帰る道すがらで、花輪の飾ってあるその店に気づいた。「いい匂い。ね、買っていこ...
CHALLENGE

つま先に媚薬(お題:23つま先)

炭治郎が、義勇に稽古をつけてもらえるようになってから、三日が経った。 稽古内容は一言で言えば鬼ごっこだ。ただし、迫ってくるのはつかまえようとする手ではなく、鋭い木刀の一撃である。広大な竹林のなかで目まぐるしく攻守が変わる鬼ごっこは、息つく暇...
学び舎アルバム

学び舎アルバム 大混乱の顛末

針のむしろ。義勇にしてみればこの状況はその一言だ。端からすればイチャついているようにしか見えなかろうが、だからこそ義勇は正真正銘困り果てている。「本当のことを言ってください」「……それよりまず俺の上からどけ」「誤魔化さないでください!」「そ...
SS~短編

幸食健美

「それじゃ、明日からよろしくお願いします!」 ぴょこんと頭を下げる炭治郎に、義勇は小さくうなずいた。えへへとはにかみ笑う炭治郎は、いかにもうれしげだ。その笑みを見ていると、義勇の胸の奥にもほわりとした温かさが宿る。 付きまとわれるのには閉口...
恋味献立の拵へ方

甘く煌めく

大正時代の一般家庭で作られていた料理を、義炭の二人に作ってもらうシリーズの第一弾です。 今回は苺のゼリーとエード。本文の表記は大正時代に倣っています。
SS~短編

恋は緩やかに

お題:いってきますのチューをしている義炭 ※無自覚両片想いからの自覚。義勇さんのご両親を捏造しています。800字2/24分。  出がけに義勇が炭治郎の顔に唇を寄せたのに、特別な意味はなかった。 炭治郎が水屋敷で起居するようになってから、そろ...