シリーズ・連載もの

学び舎アルバム

学び舎アルバム 甘えん坊大王降臨の日

その朝、キメツ学園に激震が走った。 事の起こりは登校時の校門。仁王立ちした体育教師が、ひとつ咳をした。ただそれだけである。 冨岡先生だって人間だもの。しかも季節は二月初旬。春は名のみの真冬の寒さ。咳のひとつぐらいは出るだろう。なんて、思うよ...
学び舎アルバム

学び舎アルバム 大混乱の顛末

針のむしろ。義勇にしてみればこの状況はその一言だ。端からすればイチャついているようにしか見えなかろうが、だからこそ義勇は正真正銘困り果てている。「本当のことを言ってください」「……それよりまず俺の上からどけ」「誤魔化さないでください!」「そ...
恋味献立の拵へ方

甘く煌めく

大正時代の一般家庭で作られていた料理を、義炭の二人に作ってもらうシリーズの第一弾です。 今回は苺のゼリーとエード。本文の表記は大正時代に倣っています。
シリーズ・連載もの

なんということもない秘密の話

山を下りた俺が、義勇さんとふたりで暮らしだしたのは、昔ながらの長屋の一室だった。 住人のなかには職人さんもいくらかいて、住居兼作業場として借りている人も多い。さもなければ、毎朝勤め先に出かける人たちだ。無職でいたのは、俺が転がり込むまではひ...
年年歳歳

やきもちとヒーローがいっぱい

第2話。中三と小二になった義炭。宇髄さんと煉獄さんが登場します。二人とも義勇さんと同い年です。 作中差別的な表現があります。ご了承ください。
日々是善哉

なんでもないよくある一日

炭治郎が家出した。  なんて言ったら、たぶん誰もが慌てふためいて、なんでそんな悠長にしてるんだと責められるのだろうな。思って義勇はちょっぴり苦笑した。 以前だったら自分も我を忘れて駆けまわり、人目もはばからず大声で名を呼び炭治郎を探したこと...
シリーズ・連載もの

ファイト

世の中には、主役になれる人と、モブにしかなれない人がいる。私は完全に後者だ。二八年も生きてりゃ、悟らざるを得ない。 顔は人並みだし、頭がいいわけでもない。高校大学と頑張ったバレーだって、才能なんてなかった。完全なモブだ。だから今日みたいなこ...
家族の肖像

真昼の月のように

「月彦、体調はどうかな?」 ノックにつづいて開かれたドアから、寮監が顔を出した。ゆっくりと起き上がろうとした月彦をそのままでととめた教師は、人の好さげな笑みを崩さない。「昨日逢えなかった候補者さんたちが、お見舞いに来てくださったよ。具合が悪...
家族の肖像

ラヴィアンローズ

毎日退屈だった僕の人生に、バラ色の輝きがもたらされたのは二年前、九月のとある日のことだった。 だからといって、くだらないことばかりの僕の人生の、さえない日常は、ちっとも変わりゃしないけど。 「おい、スリミの在庫出てないぞ。サボってないでちゃ...
クソデカ感情お互い様同棲義炭

プレゼントは一生ものの逸品です

クソデカ感情お互い様な同棲義炭シリーズ第1話。高校卒業と同時に恋人同士になり、同棲を始めた義炭が迎える、初めての義勇さんお誕生日話。