義炭

当サイトのメインコンテンツその1です。全部義炭ですが、一部「右義を含む義炭」もあります。逆やリバはありません。

SS~短編

Hush a Bye Baby(ロング&炭治郎おたおめvr.)

眠い。半ば眠りながら歩いてるぐらい、とにかく眠い。 昼休みの喧騒すら意識の片隅をかすめるだけで、炭治郎の頭には「眠い」以外の言葉はろくに浮かばなかった。誰かに呼びかけられるたび反射的に笑顔を向けるのは、長男として培ってきたやせ我慢の賜たまも...
手袋を買いに行ったら

手袋を買いに行ったら大好きな人ができました1

第1話。
手袋を買いに行ったら

手袋を買いに行ったら大好きな人ができました2

第2話。柱へのお遣い編終了。でも冒険はまだ続きます。
手袋を買いに行ったら

手袋を買いに行ったら大好きな人ができました3

最終話。童話パロの筈なのにバトってます……。
水天の如し

水天の如し 一 ◇少年、運命と対峙すの段◇

忙しなく息を吐きながら、炭治郎は必死に走る。だが、積もった雪に足を取られ思ったようには走れず、速度は平地を歩むのと大差はない。 空を覆う雲は厚く、また雪が降ってきそうだ。ぐっしょりと濡れた衣服が、炭治郎の体温を奪っていく。けれども足を止める...
SS~短編

ずっと、ずっと、いついつまでも

今日はどうにか十一時には帰宅できた。いや、それでも遅すぎなのに変わりはないけれど。湯船に足を入れた義勇は、われ知らず深く嘆息した。 そろそろ日付も変わるだろうか。疲れた。いや、疲れ果てている。温かな湯に包まれると気づかぬようにしていた疲労が...
水天の如し

水天の如し 二 ◇少年、仰天すること甚だしの段◇

ともあれ、深い話は場所を移してからだ。息を飲み絶句した炭治郎に、そう切り出してきたのは錆兎である。「今は雲のおかげで日が差さないが、太陽が顔を出したらまずい」「なんでですか? また雪が降るよりいいと思うけど」 雪は今はやんでいる。とはいえど...
SS~短編

押されて引いて、恋愛計算答えはいつか

「あの……ドキドキしますか?」 と、言われても。義勇はどう答えたものかと、わずかに眉根を寄せた。 ドキドキの意味によっては、はい、だ。つま先立ってプルプルしている炭治郎の足を見ると、どうにもドキドキする。もっとふさわしい言葉で言うなら、ヒヤ...
SS~短編

Please cry baby

卒業式後に義勇に告白したとき、炭治郎の顔はまるで決闘でも申し込むかのようだった。 俺も好きだと言われたときの顔はといえば、鳩が豆鉄砲を食ったようで、すぐにグシャグシャに泣き崩れた。涙だけでなく鼻水まで大盤振る舞いの大号泣だ。めったに着られる...
水天の如し

水天の如し 三 ◇少年、運命を切り裂く決意をすの段◇

さて、衝撃から覚めてしまえば、炭治郎の脳裏にはまた悩みが湧いた。 食事の支度をしている二人に、なんと声をかければよいのやら。少々ためらいを覚えないでもない。手伝うこともなくなってしまえば、己が立場を否が応でも考えざるを得なかった。 二人から...