ご感想ありがとうございます!(煉義『流れ星』

では、お返事です。ご感想部分は青文字で記載させていただきました。

OBA様、サイトの方で『流れ星 前編』を拝見しました。引用できるところはしながら、感想をお伝えします。

3ページ目

あぁ。俺はいつも、こんな顔をして君を見つめていたのか。

<-煉獄さんは、母からの言葉を心の支柱として、弱き人を守るために、その瞬間瞬間で己が正しいと思う選択を重ねながら、己のことを顧みることなくただただ前を向いて突っ走った人だと私は思っています。だからこそ、この、過去の己に思いを馳せるような心の声がとても印象的で、これはきっと代々炎柱を輩出してきた煉獄の名を背負った剣士 
煉獄杏寿郎ではなく、義勇さんに心を寄せる一人の男、 ”杏寿郎” の心の声なのかなと思いました。

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だが現実はこれだ。理想ほどうまくはいかないものだと、煉獄の眉がはからずも下がる。

<-こうだったらいいのにと、己が望む家族との姿を夢見ることなく、寂しいと思っている己の気持ちも含めて現実をしっかりと受け止めることができる煉獄さんらしい表現だなと思いました。

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「待てっ、冨岡! あれはそういうのではない!」

<-勘違いした義勇さんを制するために発せられたこの言葉。この表現は、煉獄さんの品格を損ねることなく、かつ無駄なく核心をついた言い方で、すごく煉獄さんらしいと感じましたし、笑ってしまいました。 

4ページ

なぜ煉獄さんの誕生日を知っていたのかというところ、部分引用になりますが、

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「昨日は、風が強かったから」
「うん?」

手にしたアヤメに眼差しを落とした冨岡は、不意にグッと顔つきを引きしめ腰を浮かせた。

怒ってでもいるのかと聞きたいほどに真剣な顔が、近づいて。
 チュッ
「すまない」

「謝罪される意味がわからない、冨岡」
「勝手にカルテを見てしまった」

風。頭のなかで煉獄は繰り返す。そうか、これは先の言葉の続きだったのか。煉獄の誕生日をなぜ知っているのかという話だ。なんで途中にあんな愛らしい接吻が挟まれたのかは、さっぱりわからないけれど。

<-煉獄さんの問いに対する返答を開始しながら、煉獄さんにキスするのだと意を決して実行。その後に、返答の続きをするんですよね。義勇さんの中では理路整然としている言葉と行動なのですが、煉獄さんにはさっぱりで、最終的に話の着地点は見えたけど、途中になぜキスが挟まれたのかはわからずじまいというとことが、すごくこの二人っぽいなと思い
ました、笑。

5ページ

思わず煉獄は動きを止めた。唸らなかったのがマシだと思えるほどに、冨岡の態度には愕然ともしたし、少々気落ちもする。冨岡の気持ちはわからぬでもないし、冷静沈着を心がける習性も煉獄とて同様だ。どんなときでも柱としてある冨岡だからこそ、恋しいとも思ってもいる。そこに嘘はないのだ。だから咎めるつもりはない。ないが、いかんせんこういっ
た場においては、いささか難ありな態度ではないだろうか。

むくりと身を起こし、煉獄は、横たわり目を閉じたまま精神統一しているらしい冨岡の肩を、ガシリと掴んだ。

「今、俺たちは初めて枕をともにしているんだ。鍛錬しているわけではない」
「枕は……ないが?」
「うむ、そうだな! だが、実際に枕を使うかどうかは問題ではない。今まさに目合おうというときに、鍛錬のような反応はいかがなものかと言いたかった」
「ま、まぐっ……あ、うん……。そうだな。枕は関係なかった」

<-義勇さんは、煉獄さんに幻滅されないように頑張っているのですが、その努力がから回っている感じと、煉獄さんが、至極真面目に義勇さんに気持ちを吐露しているところが微笑ましくも面白いです。

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「こういうときは、もっと、こう、自分の感覚に素直になるものではないかと思うのだが?」
「断る」
「なぜっ!!」
「……煉獄に見苦しいところを見られるのは嫌だ」

「へ、下手じゃ、ない……」

「接吻など、俺は初めてだったから、ほかと比べることはできないが……その、苦しかったけれど、こ、こんなに気持ちのいいものなのかと驚いた……だから、煉獄は下手じゃない、と、思う」

<-義勇さん、煉獄さんに流されることなく、即答で「断る」とか言ったりするのに、天然で煉獄さん大喜びの気持ちを吐露したりするギャップが良いですね!

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「続きはする。やめるわけがないだろう? だが、呼吸を整えようとするのは、できれば最低限にしてくれ。見苦しいなど思わない」
「……最低限なら、いいのか?」

<-ここだけではないですが、いわゆるムードが皆無というか(笑)、この状況下でなんの指南をしているんだろうと思ってしまうようなやりとりが面白いです。

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「当然だろう? 君に死んじゃうと言われるぐらい、うまくなってみせるから、期待してくれ。あぁ、君を殺そうとしているわけじゃないぞ。そこは誤解しないでくれ」

「わ、わかっているっ。もう……わかる」

<-義勇さんのこういうところ、可愛いです。

6ページ

状況的に具体的に引用してしまうと生々しすぎるところの引用は控えます(笑)。

当人達には申し訳ない気持ちですが、色気そっちのけのドタバタ劇みたいな感じがとても面白く、楽しく読み進めさせて頂きました!

特に以下の場面は、煉獄さんの思考と行動もですが、悲壮な覚悟をもって煉獄さんに身を捧げるつもりでいたとは思えないぐらい義勇さんが激しく煉獄さんの行動を阻止しようとしていて、笑ってしまいました。

無言でゆっくりと頭を巡らせた煉獄に、視線の先を追った冨岡の目が、ギョッと見開かれた。
「お、おい……」
 落ち着かぬ声は、まさかという響きをたたえて掠れている。だが冨岡の周章狼狽を汲んでやれるほどの寛容さは、今の煉獄にもありはしない。
 冨岡から離れ、膝でにじり寄るように卓に向かう。突き刺さる冨岡の視線を背に、丼に向かってパンッと両手を打ち合わせる煉獄の目は、すっかり据わっていた。

「すみません! 粗末に扱うわけではないのでご容赦願いたい!」
「やめろっ、馬鹿! なにをする気だ! いや、言うなっ、聞きたくない!」
「これしか残っていないだろう! 大丈夫だ、蕎麦もようはでん粉だからな。ぬめりは足りないかも知れないが、かなり油が浮いていたし、多めに使えば」
「やめろと言っているだろうがぁ!! あ……」

7ページ

手のひらに落とした油はサラリとしている。冨岡が見ていないのを確かめ、煉獄は手にした油にそっと唾液を垂らした。

<-さりげない優しさが素敵だなと思いました。

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悦楽にゆらゆらと揺れる瑠璃の瞳から、ひとしずく、涙が伝い落ちた。あぁ、星が流れる。手の届かぬ天空で輝く星が、この手に落ちてきてくれた。そんな言葉が、また脳裏に浮かんだ。
 清楚な印象の冨岡と、脚を割り開かれ男の欲望を身のうち深くに飲み込んだ目の前の冨岡との不整合は、違和感よりもなお、途方もない興奮を煉獄にもたらした。
 誰も……親友も、育手も、家族だって見たことのない、冨岡の姿を目にしている。自分だけに許された。体が感じ取る悦楽を、心を満たす喜悦が追い越していく。やっとだ。やっと、繋がりあえた。快感よりも大きな感動に、知らず目の奥が熱くなる。泣き出しそうに瞳を揺らせ、煉獄は胸に湧き上がる幸せのままに笑った。

「やっと……君と繋がれた」

<-義勇さんを気高いものとしてかつ、大事に思う気持ちと、きれいな感情だけではない独占欲と征服欲も混ざっている感じが一人の恋する男としてリアルだと思いました。また、煉獄さんのこのセリフは、静かながらも煉獄さんの胸に湧きあがった幸福感がすごく詰まっている感じがして胸にグッときました。

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丁寧に肌を拭ってやりながら、言葉の先を促した煉獄に、冨岡はちょっとばかり恥ずかしげに顔をそらした。
「……やさしかったから、平気だ」
 声は、蚊の鳴くような小ささで、冨岡の羞恥を示していた。たまらなくなって抱きしめれば、ポカリとまた頭をたたかれた。今日はなんど冨岡にたたかれればいいんだろう。まるで痛くはないし、なんだか愛らしくすらあるからかまわないけれども。
「汚れるだろうっ」

<-義勇さん、可愛いです。

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いつか、鬼の出ないやさしい宵闇のなかで、慈しみと愛を込めてゆっくりと、この傷跡一つひとつを癒やすのだ。自分に残る傷にも、触れてほしい。戦ってきたその証を、生き延びともにいる感謝を、尽きぬ恋情にこめて互いに触れて触れ合う夜。それはどんなにか甘いことだろう。
 そうして互いを抱きしめ、窓の外を流れる星に、二人笑って願いを託すのだ。夜更けになっても離れることなく共寝して、穏やかで眩しい朝をともに迎える、そんな日を、いつか。今はまだ、夢物語でしかないけれど。

<-無限列車編の結末を知っているだけに、とても切なく胸が締め付けられるようでした。

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前編を通して感じたことをお伝えしますね。

二人の思考が違いすぎることに加え、義勇さんの言葉が難解パズルのピースみたいな感じなので、なかなか噛み合わないのですが、お互いを大事に思う気持ちは同じで、煉獄さんは辛抱強く真意を探って理解しようと努め、義勇さんは言葉が足りないながらも行動で伝えようとするところが萌えました。

そして、拝命している柱として背負っている責務は常に念頭におきながらも、一人の男としての煉獄杏寿郎の思考と姿が見られたことは、とても新鮮でした。

全体的に、煉獄さんと義勇さんのやりとりはドタバタ劇みたいで楽しいのですが、そういう中にも印象に残るセリフや胸が締め付けられるようなシーンが要所要所に入っていて惹きつけられました。

ありがとうございました!

あぁ~、すごく丁寧に感想お伝えくださって、本当にありがとうございます! ありがたすぎて涙出ちゃう(ToT)💕💕
お話全体もなんですが、この文章が好き、ここにグッとくるというのを教えていただけるのって、とても嬉しいんです。物語のなかで生きている人たちを感じ取ってほしいと思って書いてるわけですが、伝わるかどうかは結局のところ一文一文の表現にかかっているので、すごく苦心して書いているのですよ。
なので、こうして好きな箇所や文章を教えていただけると、とてもありがたく、間違ってなかったとホッとします。ありがとうございます💕

代々炎柱を輩出してきた煉獄の名を背負った剣士 
煉獄杏寿郎ではなく、義勇さんに心を寄せる一人の男、 ”杏寿郎” の心の声なのかなと思いました。

これ、実は『流れ星』で一番書きたい部分なんです。柱として生きている、柱としてあることが土台になっている煉獄さんの、二十歳になったばかりの恋するただの男としての”杏寿郎”としての一面。自然にそれが並び立っているのを、常に念頭に置きながら書いていたので、とても嬉しいです!

ここだけではないですが、いわゆるムードが皆無というか(笑)、この状況下でなんの指南をしているんだろうと思ってしまうようなやりとりが面白いです。

書いていて私も「君ら(煉獄さんも含めて)はいったいなんの鍛錬をしとるんじゃ」って気持ちになってましたwww 生真面目過ぎる二人ですので、初めての経験も生真面目に、はたから見たら笑っちゃうぐらいに懸命に挑むんだろうなと思ってまして。面白いと言っていただけて、我が意を得たり! とガッツポーズしちゃいました💕

義勇さんを気高いものとしてかつ、大事に思う気持ちと、きれいな感情だけではない独占欲と征服欲も混ざっている感じが一人の恋する男としてリアルだと思いました。また、煉獄さんのこのセリフは、静かながらも煉獄さんの胸に湧きあがった幸福感がすごく詰まっている感じがして胸にグッときました。

ここ! めちゃくちゃ自分でも好きな箇所です! タイトルにもかかっていますが、実は後編で重要なファクターとなる部分でもあるんです。
ちょっとネタバレになるかもですが、恋する相手を手の届かぬ星のように崇めてしまう気持ちって、少なからず誰でも経験があるんじゃないかと思うんですよ。恋は盲目、アバタもエクボという言葉があるように。
煉獄さんの場合は、義勇さんを気高く天上に輝く星だと尊びつつも、常に対等に見ていて、だからこそ独占欲や征服欲も覚える。でも、義勇さんは? っていうのが、後編の肝の一つだったりするのです。
ここを好きだと言ってもらえて、本当に嬉しいです! ありがとうございます!!💕💕

無限列車編の結末を知っているだけに、とても切なく胸が締め付けられるようでした。

私もです(/_;)書いてて馬鹿みたいに切なくて、でもこの時の煉獄さんは幸せの真っ只中にあるんだ、恋の喜びを知り明日を夢見る、青春のなかにいるんだと思いながら、書いていました。
後編は、義勇さん視点のラストシーンで終わる予定なのですが、やはり幸せの只中にあるというのを忘れずに書きたいです。それこそが、お言葉にあるように切なく感じていただけると思うので……。

できることならすべてのお言葉に返信したいところですが、このあたりで止めておきますね💦引用させていただいた箇所以外も、二人らしいと思ってもらえたり、義勇さんを可愛いと思ってもらえたりして、とっても嬉しかったです💕
本当にありがとうございました! 後編も頑張ります!!