はい、てことで始めましょうかね。
推敲に入る前に、私が執筆に使っているエディタは基本的にnotesというオンラインエディタです。ありがたいことに自動保存機能があり、文字数の上限もないみたい。文字数カウンタもついてますし、公開機能があるので、Twitterなどで公開することもできます。しかもテキストのダウンロードもできるんですよ! これ、地味に便利w
スマホにも対応してますので、基本的な執筆はPCで、出先でスマホから手直しなんてこともできます。オンラインエディタがこれが強みですね(^_-)-☆
エディタ画面はこんな感じ。画面と文字の色は変更できます。今回は『真白の~』でお送りします。
もちろん、メモ帳とかご自分が使ってるエディタでまったく構わないんですけども、このエディタをちょっと宣伝したかったもので(^.^;
さて、まずは校正。連載の1話分ずつ行なってきます。校正する文章を校正、推敲ツールにコピペします。
現在私が使っているのは文体診断ロゴーン 小説形態素解析CGI(β) 漢字使用チェッカー Enno それと小説推敲補助ソフト「Novel Supporter」 です。
ノベルサポート以外はオンラインサービスなので、もしかしたらスマホでも使えるものもあるかもしれません。確かめてなくてごめんなさい💦
まずは文体診断ロゴーンと小説形態素解析で、文章の大体の傾向を確認してみます。使用方法は簡単。コピペして診断するをクリックするだけ。
はい、これがロゴーンの診断結果。個性が……おぅふ_| ̄|○ ちなみに見切れてますが、文体の一致した作家のお名前ベストスリーとワーストスリーも出ます。海野十三先生と似た文体でした……読んだことない💦二位は阿刀田高先生。なんか私の文章、このおふたりのお名前やたら出る。
文章の個性は、データにある作品群の文章との差異で見るみたいですね。似た文が少ないほど個性的ってことらしいです。
文章の表現力は、いかに同じ語句を使わずに書いているか。これは、あとでノベルサポートでチェックします。
こちらは診断できる文字数が上限5,000字なんですが、多少はオーバーしても一応診断結果は出ます。もしかしたら上限を超えた分は診断結果に含まれてないかもですが。
次は小説形態素解析。こちらは上限25,000字。地の文とセリフで別々に判定してくれるのが嬉しい❤
しっかりチェックするの2枚めの画像の方ですね。ん~、ほかの文章でもそうなんですが、どうも動きの描写が少ない傾向が💦仕草とかをもっと表現したほうがいいようですね。こういうのは、自分で読んでも気づけないんだよなぁ💦
さて。漢字の使用率は大丈夫そうですが、一応漢字使用チェッカーでもチェック。
漢字の使用率は20%ぐらいが適正らしいので、ちょっと漢字が多いみたいですね。もう少しひらく(ひらがな表記にする)ほうが良さげ。
ただ、どうしても校正ツールで難読と判断されてしまう漢字っていうのも、かなり多いんですよね。微笑とか逢うとか、必ず指摘されます。あと、地味に厄介なのがキャラの名前。煉獄さんとか錆兎とか、絶対に指摘が入りますから💦
個人的なこだわりがあって使う漢字ってのもありますし(ほほ笑むって書くよりも漢字のほうが好きなんですもん)、作品のトーンによってはひらがなが多いと雰囲気が壊れるものもありますしね。平易にするのは大事ですが、副詞を全部漢字にするとかしなければ、まぁ、二次創作ならそこまでかたくなに直さなくてもいい気はします。
あ、ひらくのを心がけている漢字について、ちょろっと書いておきますか。
えー、「時」「中」「事」「頃」「為」なんかは、ひらくようにしています。「真ん中」みたいにそれ一語で成立するものは別ですが。「及び」「若しくは」「暫く」「漸く」なんていう接続詞や副詞もですね。公用文では漢字表記が原則となっているものもありますが、小説ではひらいたほうが読みやすいのは確かですから。こことか参考にするとよいかも。読みやすさ大事。
そろそろ次にいきましょうか。誤字脱字などのミスや、直したほうがいい言い回しなどをチェックします。
Ennoでチェック。左側のポップアップ、わかりますでしょうか。四角で囲まれた緑の部分が、診断の結果指摘された語句です。カーソルを当てるとポップアップで指摘内容が出ます。この場合は、「やっぱり」は口語なので「やはり」に直したほうがいいかもっていう診断ですね。
まぁ、ここは直さなくても大丈夫でしょう! 文体やシーンによっては「やはり」に直したほうがいいと思いますが、地の文でも口語混じりの文体ですから、個人的には許容範囲内。
ほかにも、指摘箇所がいくつかありましたが、口語への指摘がほとんどでした。タイプミスもなし。ただ、誤字に関しては、同音異義語がありますからね。さらなるチェックが必要になります。あと、地味に多いのが修正したときに一文字削除し忘れるとかの純粋なミス。拾われないこともあるので、チェックは目だけより耳でも行なったほうが確実です。
ってことで、読み上げもしてくれるこのツール。
これだけは、オンラインサービスではなくフリーソフトです。でもって、今までのなかで唯一小説に特化した、校正ではなく推敲ツール。ありがたやありがたや。
画像は「単語近隣検索」の状態です。文体診断ロゴーンで出てきた「文章の表現力」は、これが関わってきます。
近い文章に同じ語句がある場合に、こんなふうに色分けして表示されます。あまり多いようなら言い換えが必要。もしくは、いちいち入れずとも意味が通じるなら、いくつか削除したほうがいい場合もありますね。
あわせて「使用単語集計」も使って、頻繁に出てくる単語をチェック。多いと感じる語句があれば、言い換えるようにします。今回は「少し」が11回も使われたました。ちょっと多すぎますね💦直さねばな。
気をつけなきゃと思っているのは「副詞」と「動詞」ですね。副詞はとくに、表現力や個性に繋がりますから、注意が必要じゃないかと。……まぁ、いまだに納得いくものにはならないんですけどね。
それはともかく。ほかにも、「こそあど確認」で指示代名詞を多用してないかとか、「文末重複確認」でテンポが悪くなっていないかなどもチェックしています。同じ母音の文末が続くと、作文っぽくなったりして、読んでいてテンポが良くないですから。
私の場合は、同じ母音が続くのは5つぐらいを限度にしてます。それでも、だいたいは3回続いたら変えるようにしてますね。ただし、狙って続けることもあります。これは状況次第だなぁ。
それから、重要なチェック項目として「文長ヒートマップ」を使用しています。
こんなふうに、一行がどれぐらいの文字数で構成されているのかが、色で一目瞭然になるのです。長いと上の画像みたいに赤くなります。どこかで区切るなり、言い回しを変えるなりして、一行内の情報量を減らさねばなりません💦アイタタタ(*_*
これが私の文章にはやたらと多い! 推敲で一番手こずるのもこれです💦
人間の脳が一度に情報処理できる上限はそれほど多くないそうで、一行内の情報量(文字数)が多い文章=わかりにくい文章になるんですね。画像の文章でいうと、赤く染まった一行に含まれた情報は
・義勇の口数はそれほど多くない
・義勇は基本的に無表情
・杏寿郎は義勇に昼を一緒に食べようと誘っている
・以前はそっけなく断られていた
・現在は断られていない
たった一行のなかに情報詰め込みすぎですわ💦っていうか、これはまだ比較的マシなほうです。悪い癖だと自覚してるのに、どうにも改まりません。困ったもんだ。
ともあれ、このままじゃ読みにくくてしょうがないので、文章を整えてみます。前後も含めて修正。
会話もちょっと増えた。とはいえ、義勇は今でもそれほど口数は多くないし、基本的には無表情ではある。それでも、杏寿郎のどんな誘いにも応えてくれなかったころに比べたら、格段の進歩だ。一緒に昼ご飯を食べようとの誘いも、以前のようににべもなく断られることはなくなった。
今では当たり前のように連れだち教室を出て、外で一緒に食べてくれるのだ。義勇とともに過ごせるのなら、熱を帯びた風や、痛いほどに照りつける日差しだって気にならない。うるさい蝉の合唱だって、祝福の鐘のようにすら感じられる。義勇と並んで歩く杏寿郎の胸は、歓喜に浮き立つばかりだ。
これでどうだ! 長かった文章は分割。「一緒」が隣接して三回も出てたのでそれもあわせて修正。
煉獄さんの浮かれ具合を、状況描写をかねて追加。以前と現在の対比もこれで伝わるかな?💦
さてと。こんなふうに修正していくと、やたらと文字数が増えていっちゃうわけですが、削るのも大事ですね。というか、そっちのほうが大事💦
冗長すぎる文章は、ストーリーの進行が遅くなってテンポも悪くなるし、読み手さんが飽きますから。ある程度、ツールの指摘に従って修正したら、今度はいらない描写なんかをできる限り削って、言い換えで文字数を減らせるところは減らしていかないと。
これがまた苦手でして、自分の文才の無さを痛感するところです(TдT)
『年年歳歳』や『大好きの・・・』はまだ続いているシリーズということで、今後の展開につながる伏線や描写を加筆してたりもするので、どうしても長くなるのはしかたないんですけどね。それ以外の部分は、できるだけ削れるところは削りたい💦
「表記ゆれ確認」を使って、同音異義語や同音異字についてもチェックします。漢字のひらき忘れはけっこうあったりするんだな、これが💦
そんなこんなで修正が済んだら、再びチェック。今度は耳で確認です。ノベルサポートには、音声読み上げ機能もあるのです。
ただ……ぶっちゃけ、なぜそう読む!? とツッコまずにはいられないぐらい、変な読み方してくれちゃうんですよねぇ。フリーの読み上げツールは大概がそうですが。杏寿郎は「きょうひさお」になり、炭治郎は「すみはるお」だ。初めて聞いたときは、んんっ! って顔しかめましたわ。「見返す」なんていう普通に読み下せるであろう語句でさえもが、「みかえしす」になるからなぁ。聞き取るにも慣れが必要ですわ。
とはいえ、やっぱり耳でチェックするのは、やっぱり効果はあります。とくに修正時の消し忘れ。たとえば前述の修正を例とすると「 基本的には無表情ではあるの。それでも、」って感じに、一文字消し忘れていたとします(これは見た目にもわかりやすいですが)。こういう余計な一文字って、意外と目では気づきにくいんですよね。でも、耳で聞いていると違和感があるのでわかりやすいんです。
読み上げで校正をしたら、もう一度文体診断ロゴーンとかにそれぞれコピペして再チェック。問題がなければブラッシュアップ終了です。
うーん、参考になりますかねぇ💦
実際のところ、注意する部分は理解していても、ちゃんと修正ができているかは別問題だったりします。少なくとも私は💦文才ってこういうとこにも現れるんだろうなぁ。
上手な人ならともかく、私レベルがこういった講義めいたものを書いたところで、説得力もないですしね。校正や推敲の仕方というより、ツールの参考になれば💦
……っていうかさ、こんなことしてる時間があるなら推敲に時間を使えよって話だわな。
気分転換! そういうことにしといてください!💦
日曜にはワクドキ1日目か『真白~』の前編を差し替えられるよう、がんばりますです、はい。