特訓の成果?

出てるんだか出てないんだか、まぁ、自分じゃよくわからんのですが、とりあえず不要と思った文章をぶった切るのは躊躇しなくなりましたw
800字っていう制限がありますからね。情報は過不足なく、冗漫にならないようにっていうのは、心掛けるようになってきた、かな?
即興二次小説は今のところ4回挑戦して4回とも完成してるんですが、これは確実に800字の成果じゃないかと思います。
前は全然ワンライとか書けなかったんですよ。考えすぎちゃって1時間で書き上げるとか、まったくできなくて。
でも、800字でストーリーを完結させるのに慣れてきたせいか、ネタを詰めこみ過ぎずに不要な説明を避けてってのが、できるようになってきた気がします。短編ぐらいだとそれ大事ですからね。
800字っていうのは、日本人なら一度は聞いたことがあるであろう「天声人語」と同じ文字数なんだそうです。伝えたいテーマをちゃんと盛り込み、字数内できちっと〆る。文章の基本ですね。
Twitterで話題だった「同人女の感情」改め「私のジャンルに神がいます」でも、特訓としてやってましたね。自分でやってみて、なるほど、確かに特訓になるわと思いました。

でも、800字っていうと、読み手としては物足りない文章量、どうせストーリーのない雰囲気小説っていう印象を持たれがちだろうなとも、思うわけです。
実際、どうしても情景描写や心理描写は削れるだけ削っちゃいますしね。うーん、最低でも3千字ぐらいはないと「ちゃんとした小説」とは見られてないかもなぁ。

てことで、今日2作アップしたうちの1本を、初稿→800字→数千字の短編って形で、お届けしてみようかと。
まずは初稿。いつもは最初から800字におさまるように別のエディタで書いて、新書メーカーにコピペしてからそちらのカウントで800字内に調整って形で書いてます。けっこうエディタによってカウント数変わるんですよ💦
今回は、削りっぷりを見ていただくのもあり、800字を超えてもとにかく書いてみました。ちなみにお題は 義炭で「今やるべきことはこれじゃない」 です。ちょっと台詞改変しちゃいましたが。
では、どうぞ。

お膳立ての采配 初稿

 不意に沈黙が落ちた。見上げてくる瞳が潤んで見えるのは、願望ゆえだろうか。
 腕をとり引き寄せても、きっと炭治郎は拒まないだろう。思いつつ義勇は、そぅっとささやいた。
「炭治郎……」
 パチリと大きな目がまばたき、そして。
「水柱様、おいでですか? 修繕した隊服をお届けにまいりました」
「はーい、今行きます!」
 躊躇なく玄関に向かう炭治郎に、義勇の肩ががっくりと落ちた。
 これはなんの試練なんだ?
 炭治郎と恋仲になってから、ずっとこんな調子である。接吻できそうな雰囲気になるたび、邪魔が入るのだ。
 この前は土手の木陰で犬に吠えたてられた。その前は縁側で、突然寛三郎が変な方向へ飛んでいこうとした。いつでもそんな具合で、いい雰囲気だと思うとなにかが起きる。三度目の正直と顔を近づけたときなど、義勇の髪にくすぐられたか、唇が触れそうになった瞬間に炭治郎がくしゃみした。あれは、ひどかった。
 なにか、血鬼術にでもかかったのだろうか。割合本気で義勇はそんなことまで考える。
「義勇さん、この隊服は箪笥にしまっとけばいいですか?」
 衒いなく笑って聞く炭治郎は、先ほどまでの色めいた情緒など頓着した様子はない。もしかしたら甘やかな空気などはなから感じていなかった可能性もある。
 恋仲、の、はずなのだが。
 じとっと見据えても、炭治郎はパチクリとまばたき小首をかしげるばかりだ。
 嘆息して義勇は座り切って胡坐をかいていそうな目で、じっと炭治郎を見つめた。もういい。雰囲気などかまってられるか。こうなれば実力行使と、犬の子でも呼ぶように手招きすれば、炭治郎は素直に近寄ってくる。
「なんですか?」
「目を閉じろ」
 少し固い声で言う義勇に、これまた逆らいもせず、炭治郎は目を閉じた。
 顔をゆっくり近づける。あぁ、やっと、と唇を触れあわせようとした瞬間。
「あのぉ、隊服が皺になっちゃうんでしまってきてもいいですか?」
 絶句、の後に、義勇は思わず怒鳴った。
「今すべきことはそれじゃない!!」
「ひぇっ!」
 首をすくめて上目遣いにうかがってくる炭治郎の手から、隊服を奪い取り放り投げる。
「あっ、駄目ですよ、皺に」
「うるさい」
 噛みつくように唇を食んだ。ゆっくりと離れれば、炭治郎はカチンと固まっている。耳もうなじも余すところなく真っ赤だ。
「や、やり直しを要求します! こういうのはもっとこう、甘い雰囲気でするものだと思うのですが!」
「……おまえがそれを言うか」
 気抜けした声で言った義勇が、やり直したかは、神のみぞ知る。

はいっ、これで新書メーカーだと1051字。段落一字下げ分を除いた文字数です。
でもって、つづいて削りまくり言い換えまくって798字にした分。

完成稿

 不意に沈黙が落ちた。赫い瞳は潤んで見える。
 引き寄せても、炭治郎は拒まないだろう。思いつつ義勇は、そっとささやいた。
「炭治郎……」
 大きな目がまばたき、そして。
「水柱様、修繕した隊服をお届けにまいりました」
「はーい、今行きます!」
 躊躇なく玄関に向かう炭治郎に、義勇の肩ががくりと落ちた。
 これはなんの試練だ?
 炭治郎と恋仲になってからずっとこんな調子で、甘い雰囲気になると邪魔が入る。
 この前は犬に吠えたてられた。その前には、突然寛三郎が意味なく飛んでいこうとした。いつでもそんな具合で、接吻できそうな雰囲気は常に壊される。
 今度こそと顔を近づけたときなど、唇が触れそうになった瞬間に炭治郎がくしゃみした。あれはひどかった。
「義勇さん、箪笥にしまっとけばいいですか?」
 衒いなく聞く炭治郎は、先ほどまでのやり取りに頓着した様子はない。もしかしたら甘やかな空気などはなから感じていなかった可能性もある。
 恋仲だというのに。
 じとっと見据えても、炭治郎はパチクリとまばたき小首をかしげるばかりだ。
 もういい。雰囲気などかまってられるか。こうなれば実力行使と手招きすれば、炭治郎は素直に近寄ってくる。
「目を閉じろ」
 義勇の言に、逆らいもせず炭治郎は目を閉じた。
 あぁ、やっと、と唇を触れあわせようとした瞬間。
「皺になっちゃうんで隊服しまってもいいですか?」
 絶句、の後に、義勇は思わず怒鳴った。
「今すべきことはそれじゃない!!」
「ひぇっ!」
 首をすくめる炭治郎の手から、隊服を奪い取り放り投げる。
「義勇さんっ?」
「うるさい」
 噛みつくように唇を食んだ。
 ゆっくり離れれば、炭治郎はカチンと固まっている。顔も耳も真っ赤だ。
「や、やり直しを要求します! 雰囲気ってもんがあると思うんですが!」
「……おまえがそれを言うか」
 気抜けした声で言った義勇が、やり直したかは、神のみぞ知る。

さすがに200字以上を削るとなると、かなり変わりますね(^_^;)
必要な情報だけに絞っていくと、こんな感じになるんですよね~。
字書きとしては、どうしても文章を修飾したくなるのが、初稿を見るとわかりやすいかと思います。でも、初稿の段階でもかなり抑えて書いてんですよ。削らなきゃだしね。
最初から新書メーカーで書けばいいんでしょうけど、PCで書くには新書メーカーはエディタ画面が小さいんだもん💦 なので、notesっていうオンラインエディタを使用して800字は書いてます。
notesの780字前後がメーカーの800字前後かな~。段落下げも自分でやると、その分文字数かさむから、そこら辺はメーカーの機能にお任せで。

どっちが小説っぽい文章を読んだ気になるかといえば、多分、初稿じゃないかなぁと思います。作文と違って小説には文章の修飾が多くなるからね。あと描写。短編として書くなら初稿でも少ない。

ということで、これをちょっとふくらませて、数千字の短編にしてみる試みをばしてみようと思ったわけですよ。
うまくできれば、プロット立てる際に使えるんじゃないかと思いましてw
かっちり決めてあるシーンを800字でそれぞれ書いておいて、それをふくらませる形にしたら、不要な情報は入れず、かつ適度に描写を入れ込んでいけるかも? と、まぁ、考えたんですが……はてさて。

ま、ともかくやってみましょうかね。さすがに字数が多くなるので、ロングバージョンは次ページで!